後ろ頭の付け根、首と頭の境の奥に後頭下筋があります。
首の奥の深いところにある、小さな筋肉たちです。
この筋肉は頭痛と眼精疲労にすごく関係があります。
後頭下筋(こうとうかきん)は、目の動きや視覚に関連する役割を持つ筋肉です。
後頭下筋群には、小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の4つの筋があり
これらは主に首の動きや頭の安定性に関わっていますが、
視覚にも間接的に影響を与えています。
後頭下筋群は、ものを見るときに細かな調整をしたり、目の位置を安定したり
するのにも使われています。
頭の後ろにあるのに目を動かしているなんて不思議ですよね。
目を酷使すると首の後ろ頭の付け根がこって来てしまうんです。
後頭下筋は頭痛と密接に関係しています。
「緊張型頭痛」や「片頭痛」の一因となることが多いです。
後頭下筋群は日常生活や姿勢、目の疲れの影響を受けやすく、筋緊張やこりが起こりやすい部位です。この緊張が頭痛を引き起こすメカニズムには以下のようなポイントが挙げられます。
1. 筋緊張と神経圧迫
後頭下筋が過度に緊張すると、近くを通る「大後頭神経」や「小後頭神経」が圧迫されやすくなります。この神経圧迫が、後頭部から側頭部、場合によっては前頭部にまで広がる痛みを引き起こすことがあります。特に、片頭痛持ちの方はこの部位の筋緊張が誘因になることが多く、頭痛の悪化につながります。
2. 姿勢不良による緊張
長時間のスマートフォンやパソコン作業など、首を前に突き出した姿勢は後頭下筋に過度な負担をかけます。この姿勢が続くと筋肉が硬直しやすくなり、血流も悪化して老廃物が蓄積され、筋膜が引きつって頭痛が引き起こされやすくなります。これはデスクワークを頻繁に行う人に特に多く見られるタイプの頭痛です。
3. 後頭下筋のトリガーポイント
後頭下筋にトリガーポイント(過度に緊張して痛みを生じる点)が形成されると、その部位から放散する痛みが後頭部から頭頂部、さらには目の奥にまで広がることがあります。これは「後頭神経痛」として表れ、眼精疲労や首のこりとともに感じる場合が多いです。
4. 血行不良による影響
後頭下筋の緊張によって、頭部や首の血行が悪くなると、脳への酸素供給が低下して頭痛を引き起こしやすくなります。これは筋肉がこわばることによって血管が圧迫され、酸素不足や老廃物の蓄積が引き起こすものです。
対処法
後頭下筋の緊張を和らげることで頭痛を軽減できる場合もあります。たとえば、適度なストレッチや首のマッサージが有効です。また、デスクワークやスマートフォンの使用時には、正しい姿勢を心がけて筋肉への負担を減らすことが大切です。
はりとお灸の効用
後頭下筋は少し深いところにあります。そして敏感です。
マッサージであまり強く押したりグリグリとすると痛くなったり体調が悪くなる事もあります。
はりやお灸は効果的に後頭下筋群にアプローチする事が出来ます。すっと楽に筋肉を緩める事が出来ます。
頭痛や眼精疲労でお困りの方は是非一度、鍼灸をお試しください。
参考資料
緊張型頭痛患者における頚部筋障害
https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/31/1/31_96/_pdf
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