「あん摩手放しはり三日」
あん摩師やはり師の方たちの中に、
時々この言葉を話される方がおられます。
意味はあん摩は手を話した時、
はりは三日くらいしか効果が続かないという事です。
学校付属の治療院や、他の治療院でもそうですが、
何年も通って下さっている方がいらっしゃり
「もう昔からず〜っと肩こりが治らないんですよ。」
「十年以上前からずっと腰が痛くて」
このように言われる方が何人かおられます。
定期的に通って筋肉を柔らかくしないと
痛くて困ってしまう方々です。
「あん摩手放しはり三日」
たとえ三日でも良くなれば良いでしょう。
そうおっしゃられる治療家の方も多く
いらっしゃいます。
私は学生の時からこの事が悔しくて仕方がありませんでした。
確かに少しの間だけでも楽になるのは、素晴らしい事です。
でも治療をする施術家がこれを言ってはならないと思うのです。
何年も同じ症状で通っておられる方が、なぜ良くならないのか、
もっと長い期間楽になるようにするためには、どうしたら良いのか、
つらい症状の原因は、その痛い場所そのものではなく、もっと他に本質的な問題があるのではないか、
治療家であれば、この事を常に考えなくてはならないと思います。
少なくとも私は、考えたい。
3日もてば良いなどとは、言いたくないのです。
そのためにも日々精進、学んで行きたいと思っています。
誤解しないでいただきたいのは、何年も通い続ける事は
悪くないです。
それが、養生や、セルフメンテナンス、未病を治すためでしたら、
素晴らし習慣だと思います。
実際に30年近く2週間に1回ははり、あん摩をされておられ方にお会いした事がありますが、ご高齢にもかかわらず柔らかくしなやかで
素晴らしい体調の方でした。
私が言いたかったのは、身体の不調で苦しむ方を1人でも治したい。そういう事なのです。