梅雨の季節には湿邪がやってくる。
梅雨に入りムシムシとして来ましたね。
昼間は暑く、朝晩は冷えますし
雨が続くと昼間でも肌寒い日もありますから
体調を崩される方も多いと思います。
膝や首、腕、肩といった関節が痛くなったり
お腹の調子が悪くなる方も多い季節だと思います。
こんな梅雨の過ごし方を江戸時代の薬学者、儒学者の
貝原益軒先生の書かれた本「養生訓」を読んでみたいと思います。
貝原益軒先生は、84歳という江戸時代では長寿の方でした。
養生訓を書かれたのも８３歳の時だそうですから
自身のからだを最後まで養生によって健康に保たれた方です。
その養生訓の
第六巻 慎病 ９に
湿気に注意とまとめられています。
「居室や寝室は、たえず風・寒・暑・湿の邪気を防ぐように務めなけ
ればならない。」
東洋医学では人のが病気になるのは、
７つの外因（外からやってくるもの）
風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪
内因（からだの内からおこるもの七情）
喜・怒・思・悲・憂・恐・驚
不内外因 （外因でも内因でもないもの）
おもに生活習慣によるもの
不規則な食事、疲労、運動不足、外傷など
「風や寒暑はひとの体を痛めることが烈しくて早い。
これに対して湿は、ひとの身体をそこなうことがおそくて深い。
それゆえに風・寒・暑にはひとが恐れるが、湿気はこわがらない。
ところが湿に当たると底深く身体に入り込んできて、容易に治らい。」
湿気による病気は他の外因に比べると目立たないので
それほど重要と思っていない、けれど湿は、ゆっくりと
からだの奥深くに入って行き、まとわりつくようにからだに居座り
なかなか治す事が出来ない。
そこで、湿気のあるところから早く離れなければならない。山を流れ
る川岸の近いところ、低地で水に近いところ、塗りたての壁の近くと
いった湿気の多いところから離れるように言っています。
このように湿気のあるところから、出来るだけ離れるようにします。
そして床を高くして窓をあけ、気の通りを良くする事が良いと言って
います。
酒や茶や湯水を多く飲まないようにし、瓜・果物・冷たい麺類を多く
とらないようにするのは、すべて内湿を防ぐためである。
（内湿とは、体の中にたまった湿気のこと）
夏期に冷水を多く飲み、冷たい麺をしばしば食べると、かならず内湿
によってそこなわれ、痰瘧(たんぎゃく、おこり・熱病）や下痢になる
から大いに注意するように。
外から来る湿気から離れ、出来るだけあたらないようにして
食べ物によってからだのなかに湿がたまらないようにしなさいと言っています。
湿邪は関節や足に入って来て、目立たずじっと、ねっとりと
からだの中でくっついていて、消化器官の機能も悪くします。
リウマチや膝痛み、足の浮腫、首や肩まわりの痛み、腕、肘、手首と
いった捻挫のような熱を持った急性の痛みではなく、慢性的な
治りくい嫌〜な痛みを引き起こします。
また脾臓を弱らせ消化吸収のチカラを弱めますので
お腹の調子が悪く、重だるい体調になりやすいです。
こういった症状は湿邪のせいなんですね。
出来るだけ湿邪にやられないような生活を送りましょう。
明日は、梅雨時の湿邪よけの食べ物について
書かせていただきます。
それでは。
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